特に売却が難しい狭小地は仲介ではなく買取がおススメ

2025年1月24日 |  コラム

「狭小地を売りたいけれど、全然話が進まない・・・」、「仲介業者にお願いしたけど、なかなか買い手が見つからない。」、「このまま持ち続けても活用できないし、固定資産税だけが負担になっていく。」、「何度も値下げを提案されて、どうしたらいいか分からない。」、「誰も興味を持ってくれない土地を、どうやって売ればいいのか・・・」

狭小地を売却しようとしている多くの人が、このような悩みや不安を抱えています。

狭小地の売却は、一般的な土地に比べて多くの課題がともないます。都市部では一定の需要はあるものの、狭小地を購入したいと考える人は限られており、売却までに何ヶ月、場合によっては何年もかかることがあります。その間に、「本当に売れるのだろうか」という不安や、売却活動へのストレスが溜まってしまうことがあります。

「早く売却したいのに、なぜこんなに難しいのか?」というと、狭小地特有の事情が深く関係しています。どういったことなのか?どのような場合は、仲介ではなく不動産会社による買取がおススメなのか?お伝えします。

本記事を読むことで、次のようなことを理解できます。

  • 狭小地とは
  • 狭小地にある需要やニーズとは
  • 狭小地の売却が難しい理由
  • 特に売却が難しい狭小地とは
  • 買取のメリット

狭小地とは

狭小地という言葉を聞くことはあると思います。文字通り狭い土地を指しますが、何坪以下が狭小地になるかは、法律などで明確に決められているわけではありません。不動産業界では一般的に、15~20坪以下の土地を狭小地と呼んでいます(1坪は約3.3㎡)。

狭小地に対する需要

では、土地が狭い狭小地の需要ですが、一般的な土地と比べれば限られています。しかし某テレビ番組で、狭小地に日当たりや風通しの問題を解決、居住空間を広く設計したデザイン性に優れた家を建築士が工夫を重ねて建てる話を何度も取り上げているとおり、都市部では実際に一定の需要があります。

では、狭小地を購入するは、具体的にどのような理由やニーズがあるのか、代表的な例をいくつかご紹介します。

1.利便性を重視する

郊外で大きな土地に広い家を建てて住むことより、職場へのアクセスが良い都心部や駅近で生活することでの利便性を重視したい。

2.限られた予算でマイホームを持ちたい

土地や住宅価格が高騰する中、狭小地は比較的価格が抑えられるため、限られた予算でマイホームを持ちたい。

3.大きくて広い家を必要としない

独身や子供がいない夫婦、子供が独立した夫婦などで、大きくて広い家を必要とせず、コンパクトな家を建てて住めれば良い。

4.デザインや空間活用に興味がある

狭小地という限られた条件の中で、個性的で洗練された、クリエイティブな生活空間を実現することに興味がある。

狭小地の売却が難しい理由

上記のような理由やニーズは間違いなくあり、狭小地には一定の需要はあります。しかし、狭小地を購入したい人のニーズの強さやメリットよりも、購入することのデメリットの方を大きく感じてしまうと、売却が難しくなります。

狭小地のどのような特徴が、購入にあたってデメリットとして大きくなる傾向にあるかというと、主に次のようなものが挙げられます。

1.居住環境の快適性が低い

狭小地なのである程度覚悟はしているものの、周囲の建物と近接していて、思った以上に日当たりや風通しが悪く居住環境が好ましくないと感じる場合があります。また、車をもっている人にとっては駐車場を確保できない場合は大きなデメリットになります。

2.建てられる家の制限が大きい

建築基準法では、「道路斜線制限」「北側斜線制限」「隣地斜線制限」「日影規制」などが定められています。それらの制限により、建物の高さや形状、デザインが制限されるなど、設計や建築にいろいろな制限がかかり、思ったような家が建てられない可能性があります。

3.建築費用が割高になりがち

狭小地では限られたスペースを最大限に活用するため、通常の住宅と違って、細長い建物や複雑な間取りとなる特殊な設計が必要になり、建築費用が割高になる傾向があります。また、重機や資材の搬入が困難な場合は、通常の建築工事より費用がかかることになります。

4.住宅ローンの審査に通りにくい

狭小地は一般的な住宅用地と比べて買い手が限定的なため、再販が難しくなります。金融機関としては万が一ローンが返済されない場合の融資回収リスクが高いと評価します。また、狭小地の再販価格は市場の動向や個別の物件の条件で大きく変動するため予測が困難です。そのため、担保価値が低くなり、住宅ローンの審査が厳しくなる傾向があります。

5.将来的な資産価値に不安を感じる

将来的に売却することを考えている場合、買い手が限られるため、希望価格で買い手を見つけるのが難しくなります。また、周辺の建物や道路の状況や建築基準法などによる建築制限の変更などで資産価値が低くなる可能性があります。

特に売却が難しい狭小地の特徴

上記は狭小地のデメリットとして一般的に言われていることなので、狭小地の購入ニーズがある人にとってはそこまでネックにならない可能性があります。もし、なかなか売却ができていないようなら、メリットをしっかり伝えることで売却できる可能性があります。

しかし、伝え方などの問題ではなく、一般的なデメリット以上にデメリットを感じる、次のような狭小地の場合は、特に売却が難しくなります。

1.接道義務を満たしていない

袋地や旗竿地で接道義務を満たしていないと再建築不可物件となり、住宅付きの狭小地を売却する場合、最大のネックになります。築年数が古い建物が建っている場合、建て替えができないとなると、買い手を見つけるのが難しくなるのは想像に難くないと思います。

袋地については「売れない袋地は仲介ではなく買取がおススメな理由とは?」、 旗竿地については「特殊な形状の旗竿地の売却方法と不動産買取がおススメなケース」で説明していますので、あわせてお読みください。

2.容積率が低く土地を有効活用できない

一般的に、狭小地は容積率によって価値が変わってきます。容積率が高く延べ床面積を大きくできると、建物の自由度が高くなり、複数階建てなど居住空間を最大化でき、狭小地という限られた土地を有効活用できます。一方で、容積率が低いと延べ床面積が小さく土地の狭さを補うことが難しくなり、土地を有効活用できないため買い手にとって魅力が低くなります。

3.不整形地など形状が悪い

狭小地の中には、整形地と呼ばれる正方形や長方形ではない、不整形地と呼ばれる三角形や台形、旗竿型など形状が悪い土地が多い傾向があります。

不整形な形状を活かして個性的な設計ができると考える人もいますが、日当たりや風通しが悪くなったり、家具の配置が難しく、ただでさえ狭いスペースを有効活用できないのではないかと不安を感じる人が多くなります。また、不整形地では一般的に設計や施工に手間がかかり建築費が高くなることがあります。土地が安い分、建築費が高くなってもトータルで見れば安くなれば良いですが、割高感を感じるようだとメリットが薄れて売却が難しくなります。

4.隣地の影響を大きく受ける

袋地や旗竿地のように周囲を建物に囲われ、かつ、狭小地となると、日当たりや風通しが悪く、プライバシーの確保が難しいと感じる人が多くなります。設計上の工夫で改善の余地があると感じる程度であれば良いですが、明らかに隣地の影響が大きいと感じる場合は、買い手がかなり限られることになってしまいます。

5.権利関係が複雑な狭小地

複数の共有者がいる土地や相続で権利が分散している土地、借地権や地上権が設定されている土地など、特殊な権利が付いていると権利関係が複雑で、売却手続き自体がスムーズに進まなかったり、購入後の利用が制限されてしまいます。一般的に権利関係が複雑に絡んでいる物件は将来的なリスクが高いと思われるので、トラブルを懸念して購入を控えることになりやすいです。

狭小地を売却する方法

狭小地を売却する方法は、次の3つがあります。

仲介

不動産会社に依頼をして、主に一般の個人の方に売却します。ここまでのところで、売却が難しいと書いていたのは、仲介での売却です。仲介での売却は相場価格で売却できる可能性があるメリットがある一方で、買い手が限られることから、売却できたしても時間がかなりかかったり、価格などの条件交渉で苦労する可能性があります。

隣地に売却

隣地の所有者に売却を打診する方法です。

狭小地の場合、隣地も狭小地であることが多いです。そのため、隣地の所有者に売却することで、「接道義務を満たせて再建築不可物件でなくなる」、「隣地が自分の土地とあわせて一般的な利用しやすい土地になる」、「不整形な土地が整形地になったり整形地に近づく」可能性があります。

もし、隣地の所有者が将来的な建て替えや増築などを考えている場合、購入してもらえる可能性があります。一方で、売却を打診することで隣人との関係が悪くなったり、トラブルにつながってしまうリスクもあるため、打診するかは慎重な判断が必要です。

買取

一般の個人の方ではなく、不動産会社や買取業者に直接買い取ってもらいます。一般の買主が購入をためらうような狭小地でも、専門知識や経験、ネットワークを活かして買取後に再販する前提で不動産会社や買取業者が買い取ってくれます。

仲介で売却できる見通しが立たないような、特に売却が難しい狭小地として挙げたような狭小地の場合は、買取で売却するのがおススメです。

買取のメリット

1)迅速な売却ですばやく現金化が可能

狭小地を仲介で売却する場合、一般的な住宅の売却と比べて売却まで時間がかかる傾向があります。買取であれば、不動産会社や買取業者が直接買い取るため、迅速に売却手続きを進められます。不動産会社や買取業者は現金での購入が可能なため、すばやく現金化できます。

2)売却の負担がかからない

住宅付きの狭小地を仲介で売却する場合、内見する人に良い印象をもってもらうために、建物の掃除や不用品の処分、内覧の対応が必要になります。買取は不動産会社や買取業者が買主のため、内覧対応が必要ありません。また、買取後のリフォームを前提に買い取るため、売却前のリフォームなども必要ありません。時間的、コスト的に売却の負担が軽くなります。

3)契約不適合責任が免責される

不動産会社や買取業者が買主のため、宅建業法40条の規定により、売買契約書に明記しない限り、売主は建物に欠陥などの瑕疵があっても責任を負わない契約不適合責任を免責されます。故意または重大な過失で瑕疵を隠蔽している場合などは、契約不適合責任を負う可能性がありますので注意が必要です。

4)残置物処分が不要の可能性がある

住宅付きの狭小地を仲介で売却する場合、建物に残置物があると買い手を探すのが難しくなったり、売却価格が下がる可能性があります。売り手で処分するにしても、残置物の処分は結構手間がかかります。すべての不動産会社や買取会社ではありませんが、残置物の処分を含めて買い取ってくれることがあり、処分の手間が減る可能性があります。

買取のデメリット

買取のメリットをお伝えしましたが、買取にもデメリットはあります。

1)売却価格が相場より低くなる可能性

買取では一般的に、売却価格が相場より低くなる傾向があります。これは、買取後の再販に向けてリフォームをしたり、接道義務や権利関係などで問題があれば解決するなどのために必要な費用やリスクを考慮して買取価格を決定するためです。

2)悪質業者にあたる可能性

不当に低い価格で買い叩く、高額な査定を提示した後にさまざまな費用を差し引いて実際の買取価格が低くなる、契約解除したくても高額な違約金を請求する、といったような悪徳業者も存在します。

買取業者選びのポイント

安心・信頼できる不動産会社や買取業者を探して、少しでも高く買い取ってもらうためのポイントとして、次のことを意識して業者選びをすると良いです。

1)複数会社に査定依頼

面倒だと思っても、査定は複数の会社に依頼しましょう。相場観が分かるので、適正価格を見極めやすくなります。査定価格だけで選ぶと悪質業者にあたる可能性があるため、他のポイントもあわせて選ぶようにしましょう。一括査定は一度に多くの会社に査定をしてもらえて便利ですが、一括査定サイトに登録していない会社が多いので、できる限り自分で選んで査定依頼することをおススメします。

2)担当者の対応

不動産の取引は高額ですので、担当者の対応は重要です。たくある案件の中の1件として対応していると感じ場合はやめた方が良いです。不安や悩みに寄り添って、親身になって相談に乗ってくれる、要望をじっくり聞いてくれる、疑問に思ったことは何でも聞ける、顧客目線での提案をしてくれるなど、信頼性や誠実さを感じられるかがポイントです。

3)根拠が明確な査定内容

買取の場合、最大の関心事は買取価格ですよね。悪質業者にひっかからないためにも、買取価格の根拠が明確で、内訳などを具体的に説明してくれる会社に依頼することが大切です。根拠がよく分からない、あいまいな場合は、後から追加費用を請求されて買取価格が大きく変わる場合があるので要注意です。

買取の流れ

狭小地の買取の流れは、大きく次のような流れで進みます。

①不動産会社を探す

狭小地の買取を相談する不動産会社を探します。

②不動産会社に買取査定を依頼する

不動産会社に狭小地の買取の査定を依頼します。

査定には、机上査定と訪問査定があります。机上査定は形状の確認、建物の情報、過去の取引事例などを基に、おおよその査定額を算出します。訪問査定は、実際の形状の確認、建物の調査、周囲の建物の状況、日当たりや風通し、周辺環境など詳細に調査した上で、査定額を算出します。

何社かに机上査定を依頼して概算の査定額を把握した後、気になる会社に訪問査定を依頼すると安心です。

③買取金額を交渉する

不動産会社から買取金額が提示されたら、実際の買取金額を交渉します。他社の査定金額などを参考にして、納得して依頼できるよう交渉します。

④売買契約を締結する

買取を依頼する不動産会社を決定して、売買契約を締結します。買取金額や決済日、引き渡し日など、売買条件を具体的に定めた契約書を作成します。売買契約が成立すると、不動産会社から買取金額の5~10%が手付金として支払われます。

⑤不動産を引き渡して代金を受け取る

不動産を引き渡して、不動産会社から残金が支払われます。

必要な費用

売却時に一般的に売主が負担する費用は次のものがあります。

①印紙税

売買契約書の作成にあたり、売買代金に応じて収入印紙を貼付する必要があります。

②登記費用

所有権移転登記を行うために、登録免許税が必要になります。

③譲渡所得税・住民税

売却益が出たときは、譲渡所得税と住民税を支払う必要があります。ただし、譲渡所得が特別控除の範囲内であれば税金がかからない場合もあります。

その他、売却する狭小地に住宅ローンなどの抵当権が設定されている場合、売却前に抵当権を抹消する必要があるため抵当権抹消費用がかかります。また、土地の境界が不明確な場合や正確な面積を確認するために測量が必要な場合は、測量費がかかります。

まとめ

狭小地の売却について説明してきました。

狭小地の買い手は限られるとはいえ、狭小地に対する需要で書いたとおり、狭小地を購入したい層は一定数います。そのため、すべての狭小地の売却が難しいわけではありません。

狭小地に限らず、やはり不動産というのはさまざまな条件が売却のしやすさや売却価格に関係してきます。特に売却が難しい狭小地で記載したような、接道義務を満たしておらず再建築不可物件だったり、設計や建築の工夫だけでは如何ともしがたい土地の形状だったり、極端に日当たりや風通しなど生活環境が悪かったり・・・となると、仲介で売却するのは困難を極めます。

仲介でもなかなか買い手が見つからないと売却価格を下げるしかなく、価格交渉で下げざるを得なくなったりして、希望価格で売却できる可能性があると言う仲介のメリットがなくなってしまいます。

なかなか条件的に仲介での売却が難しいと思う場合は、不動産会社に相談してみてください。親身になって対応してくれる不動産会社であれば、どちらかを一方的に勧めるのではなく、いろいろなアドバイスもしてくれるはずです。

この記事を参考にして、狭小地の売却がスムーズにできれば幸いです。

買取価格の根拠が明確。
お客様に寄り添い親身に対応する三共住販株式会社の買取はこちらから

ページトップへ