港南台駅前の当社管理物件のビル建替え工事プロジェクト

2026年2月9日 |  コラム

建替えを検討し始めたものの、テナントの立退や建築費の問題で判断が進まず、時間だけが過ぎてしまっている・・・そのような地主様・オーナー様も少なくないのではないでしょうか。

今回ご紹介するのは、当社が管理を担当している物件で現在進行中のビル建替えプロジェクトについてです。

約2年前にテナントの立ち退き交渉を開始し、既存ビルの解体、地盤調査を経て、この度、着工に向けた地鎮祭を執り行うところまで来ました。

地鎮祭はあくまで一つの節目に過ぎませんが、ここに至るまでには、立退の進め方や建替えプランの検討、既存建物の解体費用をどう抑えるかといった点など、事前に整理すべき課題がいくつもありました。

本記事では、テナントの立退から建替えプランの検討、建設会社とのやり取り、そして建替え後を見据えた管理まで、オーナー様と一緒に進めてきたプロセスをご紹介します。

なお、本プロジェクトは現在も進行中で、今後も節目ごとに進捗をお伝えしていく予定です。

物件概要とプロジェクトの全体像

今回ビルの建替えが行われるのは、港南台駅から徒歩1分、大通り沿いという好立地にある、当社が管理を担当している建物です。

建替え後の計画は、以下のとおりです。

1階:医療機関テナント
2階以上:ファミリータイプの住戸(全75世帯)
完成は2027年6月末を予定しています。

なお、オーナー様のご意向として、「1階のテナントは医療機関に借りてもらいたい」という明確な方針がありました。そのため、建替え後にテナント募集を始めるのではなく、計画段階から医療機関の入居を前提とした検討を進めてきました。

結果として、地鎮祭を迎える段階で、1階テナントについては医療機関の入居の目処が立つ状態となりました。

このように本プロジェクトは、「建ててから考える」のではなく、完成後の運用を見据えた状態で建替えを進めている点が大きな特徴です。

最大の難関「テナントの立退」

ビルの建替えにおいて、オーナー様にとって最も精神的な負担が大きいのが、既存テナントの立退に関する判断ではないでしょうか。

建替えの必要性を感じていても、「話をどう切り出せばよいのか」「相手が応じてくれなかったらどうなるのか」といった不安から、なかなか一歩を踏み出せないケースも少なくありません。

また、立退の話は単純に条件を提示すれば解決するものではなく、状況や経緯によっては、想定以上に時間がかかることもあります。

当社は物件管理を担当している不動産会社という立場から、立退そのものを代行するのではなく、オーナー様が判断に迷うポイントを先回りして整理し、次に取るべき行動を一緒に確認することに注力しました。

立退は、短期間で片付くケースもあれば、想定以上に時間を要するケースもあります。だからこそ、最初の段階で「無理のない段取り」を描けているかどうかが、その後の建替え全体のスケジュールと判断に大きく影響します。

建替え成功の分かれ目は「間取りプラン設計」

テナントの立退が一段落すると、次に重要になるのが建替え後のプラン設計です。

今回の建替えでは、1階テナントの用途が早い段階で定まっていたため、完成後に調整するのではなく、最初から使われ方を想定したプラン検討を進めることができました。

特に意識したのは、「入居が決まるかどうか」だけでなく、入居後も無理なく使い続けてもらえるかという点です。

  • 動線や区画の考え方
  • 将来の使い勝手や変更のしやすさ
  • 設備更新やメンテナンスを見据えた配置

こうした要素は、後から手を入れようとすると制約が大きく、設計段階でどこまで想定できているかが重要になります。

また、2階以上の住戸についても、単に戸数を確保するのではなく、

  • 入居者に選ばれやすい間取り
  • 長期的な管理や修繕を考えた配置

を意識し、完成後の運用まで見据えた設計を心がけました。

建設会社の施工がしやすいプランではなく、部屋を探している方に「選んでもらえるかどうか」。この視点を軸に、設計士と何度も打ち合わせを重ね、プランを詰めていきました。

プラン検討の段階で重要なのは、図面上の数字や見た目だけで判断するのではなく、完成後の運用をどれだけ具体的に想像できているかです。

入居者にとって使いにくくないか。将来にわたって無理なく使われ続けるか。そして、長く借りてもらえる建物になっているか。

この視点を持って設計に向き合えるかどうかが、建替え後の募集や運用に大きく影響します。

「建設会社任せ」にしなかった理由

建替えを進める際、設計や施工を建設会社に一任する、という進め方もあります。

しかし今回のプロジェクトでは、すべてを建設会社任せにするのではなく、関係者それぞれの役割を整理しながら進めることを重視しました。

建設会社は「建てること」の専門家ですが、完成後にその建物を貸し、維持していくのはオーナー様です。そのため当社は、物件管理を担当する立場から、運用面に関わる視点を設計段階で補完する役割を担いました。

具体的には、

  • 貸す面積をできるだけ広く確保すること
  • 共用部分を必要最小限に抑えること
  • 将来の修繕や管理を見据えた配置にすること

といった点です。

これらは、図面上では問題がなくても、実際の運用が始まってから差が出やすい部分でもあります。

設計士や構造計算担当者と打ち合わせを重ねながら、「建てる側」ではなく、「貸し続ける側」「管理し続ける側」の視点を共有し、プランに反映していきました。

こうした提案を、一つひとつ整理しながら一緒に考えてくれたのが、今回の建設会社の担当営業、設計士、構造計算担当者でした。

それぞれの立場や専門性を尊重しながら、同じ方向を向いて議論できたからこそ、完成後の運用まで見据えたプランを形にすることができたと感じています。

本当に素晴らしい人たちと巡り会えたことに感謝です。

解体費用をどう抑えるか

近年の建替えで、多くのオーナー様が直面しているのが建築費の上昇です。しかし、建物本体の工事費だけでなく、既存建物の解体費用の上昇も大きな課題になっています。

今回の物件でも、解体費用は当初想定より高額になる可能性があり、オーナー様にとって大きな不安要素の一つでした。

一般的には、施工会社が解体工事までまとめて請け負うケースが多く、「そういうものだから仕方がない」と受け入れてしまうことも少なくありません。

しかし今回は、施工会社の配慮により、施工会社とは別の解体業者を選定しても問題ないという形で進めることができました。

そこで、当社が日頃から取引のある金融機関を通じて、信頼できる解体業者をご紹介いただき、工事内容を精査したうえで依頼先を決定しました。

結果として、解体費用を抑えながら、必要な安全性と品質を確保することができました。

工事中も終わらない管理会社としての関与

一般的には、建設工事が始まると、管理会社の関与は限定的になるケースも少なくありません。工事は施工会社とオーナー様が直接やり取りし、管理会社は完成後の管理に備える、という位置づけになることも多いのが実情です。

その一方で、建替え計画は、地鎮祭を迎え、工事が始まったからといって、管理会社の役割が終わるわけではありません。

今回のプロジェクトでは、当社は物件管理を担当する立場として、工事中も工程会議に参加し、進捗状況を確認する予定です。

工程会議では、単なる進捗確認にとどまらず、工事を進める中で生じる判断や調整が必要な点についても共有されます。そうした場面で、施工会社の説明をオーナー様にとって分かりやすい形に整理して伝え、判断しやすい状態を作ることを心がけていきます。

また、調整が必要になった場合には、オーナー様と施工会社の間に立ち、それぞれの前提や考え方を整理しながら、話を前に進めるための調整役として関わっていく予定です。

これは、完成後の管理まで見据えた立場として、オーナー様が工事中の状況を正しく理解し、安心して判断できるようサポートするための関与です。

建替えは、建てて終わりではなく、完成後の運用が始まってからが本当のスタートです。当社は完成後の運用を見据え、「工事中の関わり方」も含めて伴走していく考えです。

当社が提供できる価値とは

本プロジェクトでは、テナントの立退を検討する段階から、建替え後の運用や管理までを見据え、オーナー様と一緒に一つひとつ判断を重ねてきました。

・テナントの立退交渉を、最初の段階から一緒に整理する
・完成後の運用を想定しながらプランを検討する
・管理の視点から、設計段階で補完すべき点を共有する
・(今後)工事中も、状況を分かりやすく整理しながら伴走する

物件管理というと、家賃管理や建物の維持管理といった完成後の管理業務をイメージされる方も多いかもしれません。

しかし実際には、建替えや大きな意思決定が必要な場面こそ、「誰と相談しながら決めるか」が重要になります。

当社は、単に管理業務を行うだけでなく、オーナー様が納得して判断できるよう、状況や選択肢を整理し、一緒に考える存在でありたいと考えています。

建替えに悩んだら・・・

建替えを考え始めたとき、多くの地主様・オーナー様が不安に思われるのが、立退についてではないでしょうか。

  • そもそも借主が応じてくれるのか
  • どこまでが現実的な条件なのか
  • 話を切り出すタイミングはいつが良いのか

立退の見通しが立たないままでは、建替えの話を前に進めることができません。

一方で、建築費についても、

  • 提示された金額が妥当なのか判断できない
  • どこまで調整の余地があるのか分からない
  • 解体費用を含めると、最終的にいくらかかるのか見えにくい

といった悩みを抱えたまま、計画が止まってしまうケースも少なくありません。

立退費用に加え、建築費や解体費用など、高額なコストが重なるからこそ、「ここまで投資して、きちんと収益が出るのだろうか」という不安が頭をよぎるのは自然なことです。

もし今、立退や建築費、解体費用のことで判断に迷っているのであれば、すぐに結論を出す必要はありません。

立退をどう考えるか。
建築費や解体費用をどう整理するか。

地主様・オーナー様と一緒になって整理してくれる不動産会社に相談することが大切です。

本記事でお伝えしてきたとおり、当社は建替え後の運用や管理までを見据えて地主様・オーナー様にとって最適なご提案をさせていただきます。ご相談は無料ですので、立退や建築費、解体費用などの建替えに関する問題でお悩みでしたら、お気軽にご相談ください。

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