2026年5月11日 | コラム
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築年数の古い賃貸物件では、設備の古さや間取りが原因で、入居希望者から選ばれにくくなることがあります。その中でも、洗濯機置き場がベランダや共用廊下など室外にある物件は、不便に感じられやすく、空室期間が長くなる原因の一つになることがあります。
以前は室外にあっても珍しくなかったですが、今は室内に洗濯機を置けないと、内見前の物件情報を収集する段階で候補から外れてしまう可能性があります。そのため、空室対策として、洗濯機置き場を室外から室内へ移設したいと考えるオーナー様や管理会社様も少なくありません。
しかし実は、工事を依頼しても業者に断られるケースもあります。というのも、室内に洗濯機を置けるスペースがあれば簡単に設置できるものではなく、実際にはいくつもの条件があり、一つずつ確認しながら施工する必要があるからです。
この記事では、空室対策として洗濯機置き場の室内移設を検討しているオーナー様・管理会社様に、工事を考える際に知っておくと良いポイントを解説します。

家賃や立地に大きな問題がなくても、築年数が古い賃貸物件だとなかなか入居が決まらないことがありますが、その原因の一つに洗濯機置き場の場所があります。
ベランダや共用廊下に洗濯機置き場がある物件は、以前であれば珍しくありませんでした。しかし、現在はそういった物件は減少してきています。
入居希望者は物件を探す段階で、洗濯機置き場が室内にあることを前提に比較していることが多く、室外に洗濯機置き場がある物件は候補から外れてしまうケースが多いです。中には、内見まで進めば物件の良さを伝えられるのに、洗濯機置き場の場所だけで比較対象から外れてしまうケースもあると思います。
室外にある場合、たとえば、「洗濯のたびに外へ出る必要がある」、「雨の日や冬場に使いにくい」、「夜間に洗濯しづらい」、「洗濯機が雨風や直射日光で傷みやすい」など、マイナスのイメージが大きくなります。
特に、共用廊下にある場合は、「人目が気になる」、「生活感が外に出る」、「洗濯物を扱う場所として抵抗がある」といった心理的なハードルも生まれやすくなります。
その結果、「家賃を下げても反応が鈍い」、「内見数が伸びない」、「若い入居者から選ばれにくい」など、空室期間に影響を与えてしまう可能性が考えられます。
室内に洗濯機置き場を移設することは、こうした古い賃貸物件の空室期間への影響を改善する選択肢の一つになります。
洗濯機を室内に置けるかどうかは、日々の暮らしやすさに関わってきます。また、ベランダや共用廊下に洗濯機があることに抵抗がある人にとっては、室内に洗濯機置き場があるだけで、物件の印象が大きく変わる可能性があります。
そのため、洗濯機置き場が室外にあることが原因で候補から外れている物件であれば、室内に移設することよって募集時の不利な条件を一つ減らすことができます。
もちろん、洗濯機置き場を室内に移設すれば、必ず空室が埋まるわけではありません。
洗濯機置き場の場所は、家賃、立地、間取り、築年数、設備、周辺物件との比較など、入居を決める数ある要素の一つにすぎません。しかし、特に、若い単身者向けの物件や女性の入居者を想定する物件では、大きなマイナス要素になる可能性が高いため、室内への移設は募集条件の重要な改善策と言えるでしょう。
ただし注意したいのは、室内に洗濯機置き場を作る工事は、物件ごとの状況に左右されることです。また、空室対策につながるメリットがある一方で、条件によっては工事費用が高くなる場合や希望する位置に設置するのが難しい場合もあります。
洗濯機置き場を室内へ移設する場合、給水・排水・電源を準備する必要があります。また、物件の状況によっては、床や壁を開口したり、洗濯パンの下に台を造作することもあります。

洗濯機を使うためには水を供給する必要があるため、既存の給水管から分岐して設置場所まで給水管を引き込む工事が必要になります。
設置場所によって、キッチンや浴室などの給水管から分岐しますが、どこから給水を取れるかは現地確認をしないと分かりません。
洗濯機は使用した水を問題なく排水できるよう、既存の排水管に接続する工事が必要になります。
排水は水が流れる勾配が必要ですが、排水管までの距離が長いと必要な勾配が確保できないことがあります。そのため、設置場所によって、どの経路で排水管を引き込めるかは現地確認が必要になります。
洗濯機を設置したい場所の近くにコンセントを増設するため、既存の電線を分岐して、設置場所まで引き込む配線工事が必要になります。また、水まわりで電気機器を使用するため、アースも確保します。
水漏れを防止するために洗濯パンを設置します。排水管の位置や勾配によっては、洗濯パンの下に台を造作し、高さを調整する必要が出る場合があります。
給水管や排水管を新しく引き込む場合、床や壁を一部開口して配管を通すことがあります。その場合、配管工事が終わった後に、開口した部分を復旧する必要があります。
空きスペースがあれば、どこに設置しても問題ないと思われるかもしれませんが、実は設置場所は重要です。
洗濯パンは設置しようと思えばどこにでも設置できますが、実際は、給水管の立ち上げ位置や排水管の勾配確保などの条件を考慮する必要があるためです。
洗濯機置き場を作りたい場所が既存の水まわりから離れている場合、給水管や排水管を長く引き回す必要があります。
配管距離が長くなると、その分だけ床や壁を開口する範囲が広がる可能性があります。開口する範囲が広くなれば、配管工事だけでなく、工事後の復旧範囲も大きくなります。
また、古い賃貸物件では、床下のスペースが限られていたり、既存の配管や構造部分と干渉することもあります。その場合は、希望する位置まで配管を通せなかったり、工事範囲が大きくなる可能性があります。
そのため、給水管と排水管を無理なく引き込める場所かどうかを確認する必要があります。
給水管は圧力で水を送りますが、排水は基本的に水が自然に流れるように配管する必要があります。そのため、洗濯パンから既存の排水管までの経路で、適切な勾配を確保できるかがとても重要になります。
既存の排水管まで距離があり、配管距離が長くなると必要な勾配を確保しにくくなります。勾配が不十分だと、洗濯機からの排水がスムーズに流れにくくなり、詰まりや逆流、水漏れにつながるおそれがあります。
そのため、空きスペースであればどこでも設置できるのではなく、場合によっては、勾配を確保するために洗濯パンの位置を変更したり、洗濯パンの下に台を造作して高さを調整するなどの対応が必要になります。
過去に移設工事を業者に断られた経験があるオーナー様や管理会社様もあるかもしれません。水まわりなので水道業者に相談することになりますが、相談すればすべての業者が引き受けられるわけではありません。
賃貸物件では、工事後に入居者が安心して使える状態にできることも大切です。無理に施工して排水不良や水漏れが起きれば、入居者トラブルや下階への漏水につながるおそれがあります。そのため、慎重に対応可否を判断する業者もあります。
特に、次のようなケースでは注意が必要です。
ただし、ひとつの業者に断られたら、「その物件では絶対に室内移設できない」ということではありません。希望する位置では難しくても、設置場所を変えたり、洗濯パンの高さを調整したりするなどで対応を検討できる場合もあります。
洗濯機置き場を室内へ移設する工事では、設置場所や配管経路によって費用が変わります。
必要になる工事は、大きく分けると、洗濯機置き場を使える状態にするための工事と、それに付随して必要になる工事です。
洗濯機置き場を使える状態にするためには、洗濯パンの設置、洗濯機用水栓の設置、給水管・排水管の接続、必要に応じた電源の確保などが必要になります。
ただし、これらの工事も、設置条件によって費用が変わります。
たとえば、給水管を分岐できる場所が遠い場合は、給水管の引き回しが長くなります。また、排水管までの距離がある場合や排水勾配を確保しにくい場合は、排水管の経路を工夫したり、洗濯パンの高さを調整したりする必要が出ることがあります。
このように、同じ「洗濯機置き場の新設」でも、配管しやすい場所に設置する場合と、給水・排水の条件が厳しい場所に設置する場合では、費用が変わってきます。
さらに、配管を通すために床や壁を開口する範囲が広くなったり、工事後の内装復旧が必要になったり、洗濯パンの下に台を造作したりすると、付帯工事の費用も加わります。
つまり、給水管や排水管をどこから引き込むか、排水勾配をどのように確保するか、床や壁をどこまで開ける必要があるか、復旧工事がどの程度必要になるかによって全体の費用が変わります。
そのため、費用や工事範囲を抑えられる設置位置を検討することも大切です。
当初希望していた場所では工事費用が高くなりやすい場合でも、既存の水まわりに近い場所や配管しやすい位置に変更することで、工事範囲を抑えられる可能性があります。
もちろん、すべての物件で希望どおりに費用を抑えられるわけではありません。
しかし、空室対策として洗濯機置き場を室内に移設するのであれば、物件の状況を見ながら最適な設置場所を提案できる業者に相談することが大切です。
古い賃貸物件で洗濯機置き場がベランダや共用廊下にある場合、室内への移設は空室対策の一つとして検討する価値があります。
室内に洗濯機を置けるようになることで、入居希望者にとっての不便さが減り、募集時の印象を改善できる可能性があります。ただし、洗濯機置き場の室内移設は、室内に空きスペースがあればできる工事ではありません。
給水管や排水管をどこから引き込むか、排水勾配を確保できるか、床や壁の開口・復旧がどの程度必要になるかによって、工事の内容や費用は変わります。また、希望する位置に設置するよりも、既存の水まわりに近い場所や配管しやすい位置を検討した方が、工事範囲を抑えられる場合もあります。
そのため、洗濯機置き場の室内移設では、希望位置に施工できるかだけでなく、物件の状況に合わせて無理のない設置方法を考えることが大切です。
・室内洗濯機置き場新設のための洗濯パンの新設工事
・他社に断られた賃貸アパートの洗濯機置き場新設工事
ベランダや共用廊下にある洗濯機置き場を室内へ移設する場合、 給水管や排水管の引き込み、排水勾配、床や壁の開口・復旧など、 物件の状況に応じた確認が必要です。
水まわりのリフォームについては、こちらのページでご案内しています。