不動産売却における当社の譲れないポリシー

2026年2月2日 |  コラム

不動産の売却を考えたとき、多くの方が一番気になるのは、

「どのくらいの金額で売却できるのか?」
「どこ(どの不動産会社)に売却を依頼するのが良いのか?」

ということではないでしょうか。

実際、大手の不動産会社数社に売却査定を依頼し、その中のどこかに依頼するつもりで話を進める方がほとんどではないでしょうか。

大手以外の不動産会社には、「一応、1社くらい話を聞いてみるか」という感じで、問い合わせをする方がいるのが実際のところでしょう。なお、大手以外というと、地域密着でやっている地場の不動産会社や当社のように小規模ながら全国対応している不動産会社などがあります。

つい最近も、擁壁に関するブログ記事をきっかけに当社のことを知った方から、売却のお問い合わせをいただきましたが、お問い合わせをいただいた時点で、すでに複数の大手不動産会社に査定を依頼済みという状況でした。

当初は、大手のどこかに任せるつもりだったそうですが、実際に当社からの説明を聞く中で、「会社として何を大切にしているのか」「お客様のために、どこまで考えて提案しているのか」という点を知って、大手ではない当社にご依頼をいただくことになりました。

本記事では、当社がどのような考え方でお客様に向き合い、ご提案をしているのか、いわば“当社の営業方針であり、会社のポリシー”についてお伝えしていきます。

なぜ大手の査定額は高くなるのか

不動産の売却査定を複数社に依頼すると、「なぜこんなに金額に差が出るのだろう?」とか「え?本当にこんなに高く売却できるの?」とびっくりされる方は少なくありません。

特に、大手不動産会社の査定額は大手以外の不動産会社の査定額よりも高く、また、相場よりも高めに提示されるケースが多く見られます

その理由は、担当者の誠実さの問題ではなく、組織としての仕組みや評価制度の違いにあります。

大手不動産会社では、

  • 月ごとの媒介契約件数
  • 売却成約件数
  • 売上目標

といった数値目標(ノルマ)が明確に設定され、営業担当者はその達成度によって評価されます。不動産会社に限らず、毎月のノルマがある営業職の方であれば、こうした評価の仕組みはよく分かるのではないでしょうか。

その結果、まず「媒介契約を取ること」が最優先になってしまうのです。

媒介契約を取るためには、売主の関心を引く必要があります。「この会社に任せよう」と思ってもらう入口として一番手っ取り早いのが査定額になるため、営業担当者としては高い査定額を提示するインセンティブが働いてしまうのです。

もちろん、まったく根拠のない数字を出しているわけではありません。公示地価や周辺の取引事例、路線価など、いずれも正式なデータをもとに算出されています。

ただし、査定額を算出するためには、

  • どの公示地を採用するか
  • どの取引事例を採用するか
  • 成約価格だけでなく、どれだけ売り出し価格を重視するか
  • 物件評価による補正率をどう考えるか

などの要素があり、これらの考え方次第で、大きく査定額が変わってきます。

ノルマを達成するために、まずは媒介契約を獲得することが強く求められる環境では、どうしても「より高い査定額になるデータを基に組み立てる」ことになりやすいのです。

その結果、売り出し当初は強気の売却価格でスタートし、実際の反響や市場の動きを見ながら、「価格を見直しましょう」と段階的に下げていく流れになるケースが少なくありません。

売主の立場からすると、最初に提示された高い査定額を基準に期待が膨らむため、後から価格を下げる提案を受けるたびに、「話が違うじゃないか」という不満や不信が生まれてしまいます。

このように大手が提示する査定額は、誰かが意図的にだまそうとしているのではなく、組織としての目標設定と評価制度が生み出す構造的な現象だと言えるのです。

組織構造の制約がない不動産会社だからできる正直な査定

当社にはノルマがありません。地場の不動産会社を含む小規模な不動産会社のすべてにノルマがないとは言いませんが、少なくとも大手のような厳しいノルマはないと言っていいでしょう。

当社はノルマがないからこそ、査定の際に最も大切にしているのは、

・高い査定額を提示することではなく
お客様に対して誠実に、正確な査定額を提示する

ということです。

もちろん、売主様が「少しでも高く売りたい」とお考えになるのはもっともです。しかし、現実的とは言えない査定の根拠で高値からスタートして、その後、何度も価格を下げていくやり方は、お客様の信用・信頼を裏切ることになると考えています。

当社は、

  • 立地条件
  • 周辺の成約事例
  • 建物や設備の状態
  • 水道などインフラの状況
  • 将来の修繕・維持コストの見通し

などの要素を総合的に判断して、最初から「この価格帯なら市場がきちんと反応する」という水準を正直にご提示します。

一見すると、大手よりも低い査定額に感じられるかもしれません。しかし、それは「安く見積もっている」のではなく、「後から何度も下げなくて済む価格」を最初から提示している、という考え方です。

実際、大手不動産会社で強気の価格から売り出し、数ヶ月かけて段階的に値下げした結果、最終的に成約した価格帯が当社が当初お伝えしていた水準に落ち着く、というケースは決して珍しくありません。

売主様の立場で考えれば、

  • 最初に高い数字を聞いて期待する
  • なかなか売れず、理由をつけて価格を下げられる
  • 「結局、この金額なのか」と落胆する

よりも、最初から現実的な成約水準を知ることで、売却計画や住み替え計画が立てやすくなります。結果として、想定どおりの流れで売却が進む方が、精神的な負担も小さく、納得感のある取引になると考えます。

私たちは、

「一時的に高く見せる数字」よりも、
「後からも説明のつく数字」
「売主様が最後まで納得できる数字」

を大切にしています。

それが、査定における当社の基本姿勢であり、誠実さの原点でもあります。

査定額が1,000万円以上ずれた実際の相談事例

つい最近も、「大手不動産会社の土地査定額に違和感がある」という理由で、セカンドオピニオンとしてご相談をいただいたケースがありました。

その物件について、大手不動産会社から提示されていた査定額は、仮にここでは約6,000万円 とします。

一方で、当社が同じ物件を調査し、

・周辺の成約事例
・公示地価・路線価
・立地条件

などを総合的に精査した結果、「現実的に市場で成約する可能性が高い価格帯」は約4,500万円前後という判断になりました。実に、1,000万円以上の差です。

なぜここまで査定額に違いが生まれたのかというと、もちろん、公示地価や周辺事例そのものが間違っているわけではありません。ただし、公示地や周辺事例の選び方や評価による補正の考え方が、売却対象の土地査定額が高くなるように組み立てられていたのです。

つまりデータは正しいが、どこを基準に考えるかの選び方が、“現実的に売れる価格”ではなく、“契約を取るための期待値を高める価格”に寄っていたということです。

売主様にとって、売れない価格で時間を浪費し、最終的に大きく値下げすることになる方が、精神的にも、資金計画の面でも、はるかに負担が大きくなります。

だからこそ当社は、最初から“現実の成約ライン”を正直にお伝えします。それが、短期的には不利に見えても、長期的に見てお客様の利益になると考えているからです。

不動産だけでなく「住まい全体」を見て査定できる強み

当社の査定が、単なる机上の数字合わせで終わらない理由の一つに、不動産仲介だけでなく、リフォーム工事や水まわり工事まで自社で一貫して手がけているという背景があります。

土地の価格や周辺相場だけでなく、

・屋根や外壁の劣化状況
・給排水管の老朽化リスク
・給湯器や設備の更新時期
・将来想定される修繕・改修費用

といった、実際にお金がかかる部分を実務として把握することができます。

そのため査定においても、「この立地なら相場はいくら」という単純な話ではなく、「この状態の建物で、買主が安心して購入できる価格帯はいくらか」「将来の補修コストを織り込むと、いくらが現実的か」という視点で価格を組み立てることができます。

地場の不動産会社はもとより大手不動産会社では、建物や設備の専門的な判断が必要になると、どうしても外部業者に確認を取る形になります。しかし外注先は、売主様の人生設計や住み替え計画まで背負っているわけではなく、あくまで「工事の可否」や「概算費用」を答えることしかできません。

一方で当社は、「売れるかどうか」だけでなく、「買う側が将来困らないか」「売る側が後で想定外のトラブルを抱えないか」という視点も含めて提案を行います。

この“住まい全体をみる視点”が、単なる相場比較ではなく、実態に即した正確な査定と、誠実な価格提示につながっているのです。

住み替えでは焦らないご提案も

売却が具体的に動き出すと、「住み替え先をどうするか」を考えなければなりません。

一般的には、

・売却と購入を同時並行で進める
・できるだけ早く次の住まいを決める

という流れになりがちです。

不動産会社にとっても、売却と購入の両方が決まれば取引が完結するため、スピード感を重視した提案になりやすいのが実情です。

しかし、たとえば今回ご相談いただいた擁壁に問題がある家のように、早く決めたい心理が働くと、リスクの見落としが起きて、あとから老朽化などの問題が見つかる可能性もあります。

当社としては、「数ヶ月、仮住まいをしながら、落ち着いて探すという選択肢もある」ということを、住み替えのお客様にはお話をすることにしています。

数ヶ月遠回りしてでも、

・家族のライフスタイルにあっているか
・建物の状態や安全性に問題が無いか
・将来メンテナンスにどの程度必要になるか

などを冷静に確認することで、本当に納得できる住まいを選んでいただく方が、結果的には後悔のない選択につながります。

当社は目先の取引よりも、その後何十年と続くお客様の暮らしの方がはるかに大切だと考えています。これもまた、当社が大切にしている“誠実さ”の一つの形です。

なぜ最終的に「大手ではなく当社」が選ばれたのか

今回のご相談者様は、当初、「大手の中からどこかに依頼するつもり」という前提で動かれていました。査定額の高さ、会社の知名度、実績数など表面的な比較だけをすれば、大手のほうが安心に見えるのはごく普通なことです。

しかし、実際に話を進めていく中で、判断基準は少しずつ変わっていきました。

・査定額の“高さ”ではなく、その根拠の説明が腑に落ちるか
・売却だけでなく、その後の住み替えや暮らしまで考えてくれているか
・目先の契約ではなく、自分たちの不安や迷いに向き合ってくれているか

そうした点を考慮した結果、数字は大手のほうが魅力的に見えるけれど、話をしていて本当に信頼できるのは、当社だと感じていただけたのだと思います。

当初は大手以外に一応話を聞こうと思った会社の1社に過ぎなかった当社が、最終的には「ここに任せたい」と選んでいただく結果となったのは、単なる偶然ではなく、日頃から大切にしている査定の考え方と、お客様の人生に寄り添う姿勢が、自然と伝わった結果だと私たちは考えています。

私たちが大切にしているのは「高く売ること」より「後悔のない選択」

不動産の売却は、単に「いくらで売れるか」という話では終わりません。

  • その価格は本当に現実的なのか
  • なぜその金額になるのか、納得できる説明があるか
  • 売却後の住まいと暮らしまで見据えて考えてくれているか

こうした一つひとつの積み重ねが、「安心して任せられるかどうか」を大きく左右します。

私たちは、

  • 目先の契約を取るために高い数字を並べるのではなく
  • 後から話が変わらない、説明に一貫性のある査定を行い
  • 建物や設備、将来のリスクまで含めて正直にお伝えし
  • ときには「今は急がなくてもいい」という選択肢も含めて提案する

という姿勢を何より大切にしています。

それは、不動産取引を「数字の取引」ではなく、「これからの人生の基盤を整える大切な節目」だと考えているからです。

高く見える査定よりも、正しいと胸を張って言える査定を。
早く決まる提案よりも、あとから振り返って「この選択でよかった」と思える判断を。

これが、私たちが一貫して大切にしている、不動産会社としてのポリシーであり、お客様と向き合うときの基本姿勢です。

ページトップへ