2025年7月16日 | コラム

お風呂に入っているとき、浴室の換気扇から『ブーン』『ゴーッ』といった、いつもと違う音が聞こえてきて、「あれ、何かおかしいな?」と感じたことはありませんか?
そんな違和感がありながらも、「換気はできているし、大丈夫だろう」と放置していませんか?
実は、浴室の換気扇から聞こえる異音は、内部で何らかのトラブルが起きているサインかもしれません。ホコリのつまりや潤滑不足といった軽度なものから、モーターの劣化といった重大な故障まで、原因はさまざまあります。放っておくと換気機能が落ち、カビや悪臭の原因になるだけでなく、火災などのリスクにつながることもあります。
とはいえ、普段聞き慣れない音ばかりで、音だけで何が起きているのか判断するのは難しいですよね。「この音、放っておいていいの?」「自分で直せるの?」「修理や交換って、いくらくらいかかるの?」そんな疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事を読めば、気になる異音の『正体』を見極め、ご自身でできる対処法から、専門家へ依頼するべきタイミング、さらには日々の予防策まで、換気扇の異音に関するあらゆる疑問がスッキリ解決します。
具体的には、次のようなことがわかります。
大がかりな修理になる前に、早めの対処で浴室の快適さを守りましょう。
それではさっそく、気になる“音の正体”を探るところから始めていきます。
浴室の換気扇から聞こえる「ゴー」「キュキュ」「カラカラ」といった音は、すべて換気扇が発している“SOS”かもしれません。その音には、ホコリの詰まり、潤滑不足、部品のズレ、モーターの劣化など、明確な原因があることが多く、適切に対処すれば多くのケースはセルフメンテナンスで解決できます。
ここでは、音の種類ごとに原因・対処法・注意点をご紹介します。浴室の“気になる音”と照らし合わせながらチェックしてみてください。
原因:
換気扇内部にホコリやゴミが溜まり、ファンの回転に負荷がかかって異音が発生している状態。
対処法:
・電源を切る(可能ならブレーカーも落とす)
・カバーを外して、掃除機やモップ、歯ブラシなどでホコリを除去
・羽根やカバーは中性洗剤や重曹水で拭き掃除し、しっかり乾燥させてから戻す
注意点:
モーター部分に水や湿気が入らないよう注意。濡れたまま取り付けるのは厳禁です。
原因:
ファンの軸部分の潤滑油が切れて、金属同士が擦れる音が出ている状態。
対処法:
・電源をオフにし、安全を確認してから作業
・潤滑スプレー(KURE 5-56など)を金属軸の根元に少量だけ噴射
・スプレー後は、布で余分な油分を拭き取り、しばらく放置してから通電
注意点:
電装部にスプレーがかかると故障の原因になるため、噴射方向には細心の注意をしてください。使いすぎも逆効果です。
原因:
ファンが偏って取り付けられていたり、内部に髪の毛・虫・小さなゴミなどが入り込んで異音を出している状態。
対処法:
・電源を切り、カバーとファンを取り外す
・異物がある場合はピンセットなどで丁寧に除去
・ファンの固定ネジや軸をチェックし、ガタつきがあれば締め直す
注意点:
ファンの軸が歪んでいたり、設置角度が傾いている場合は無理に直そうとせず、専門業者に相談しましょう。
原因:
経年劣化によりモーターや回転部の摩耗、あるいは電気系統の異常が発生している可能性大。
対処法:
・一度電源を切り、異音が止まるかを確認
・異音が継続する・音が激しい場合は、早めに修理または交換を検討
・使用開始から10年以上経っている場合は、モーターが寿命の可能性あり
注意点:
この段階では自分での修理は難しいことが多いため、火災や故障リスクを防ぐためにも、専門業者の点検をおすすめします。
| 音の種類 | 主な原因 | 自分でできる対応 | 修理・交換目安 |
|---|---|---|---|
| ゴー、ボー | ホコリの蓄積 | 掃除 | 異音が消えない場合は点検 |
| キュキュ、チチチ | 潤滑不足 | 潤滑スプレーを塗布 | 繰り返すなら部品劣化の可能性 |
| カタカタ、カラカラ | ファンのズレ、異物混入 | 異物除去、位置調整 | 振動が止まらない場合は要修理 |
| ジー、キーン | モーター劣化 | 対応困難 | 修理 or 本体交換を検討 |
ここまでで、ご自宅の換気扇から聞こえる音の“正体”と、考えられる原因・対処法がある程度つかめたのではないでしょうか?次のパートでは、「これらの異音を放置するとどうなるのか?」というリスクについて詳しく解説していきます。
換気扇の異音を「とりあえず動いているから」と軽く考えて放置してしまうと、後々思わぬトラブルにつながる恐れがあります。ここでは、異音を放置することで生じる3つの主なリスクについて解説します。
換気扇の性能が落ちると、浴室内の湿気が十分に排出されず、カビが発生しやすい環境になります。見た目の問題だけでなく、カビの胞子を吸い込むことで、ぜんそくやアトピー性皮膚炎の悪化など、アレルギーや呼吸器系の不調を引き起こすこともあります。
また、湿気がこもることで壁や天井に黒ずみが広がり、見えない場所で建材が劣化していくケースもあります。結果的に、リフォーム費用がかさむ原因にもなりかねません。
異音の多くは、モーターや回転部分に負荷がかかっているサインです。この状態で使い続けると、モーターがオーバーヒートし、焼き付きや発火のリスクが高まります。
とくに、ファンの回転にブレや抵抗がある状態では、電流が過剰に流れてショートを起こし、最悪発火に至るケースもあります。古い換気扇では、内部配線の絶縁が劣化していることもあり、電気トラブルの温床となる危険性があります。
大きな音が鳴る換気扇は、それだけでストレスになります。とくに浴室のようなリラックス空間では、「音が気になるから長く入っていられない」「夜中に使うと気を遣う」といった日常の不満につながることもあります。
また、音が響く家では、隣接する部屋や階下の住人に迷惑をかけてしまうこともあり、近隣トラブルの原因になることもあります。
このように、異音を放置することで「健康・安全・快適さ」に影響が出る可能性があります。次のパートでは、リスクを未然に防ぎ、換気扇の寿命を延ばすための定期的なケア習慣についてご紹介します。
換気扇の異音トラブルを防ぎ、寿命をできるだけ延ばすには、日頃のメンテナンス習慣が非常に重要です。また、掃除や潤滑といった作業は、専用の道具や市販のグッズを活用することで、手軽かつ効率よく行うことができます。
ここでは、「いつ・何を・どうやって」行うのかを、ケア習慣とアイテム紹介をセットでわかりやすく解説します。
■ 掃除は「2〜3ヶ月に1回」が目安
換気扇のファンやカバーには、湿気と一緒にホコリや皮脂汚れが溜まっていきます。放置すると異音や換気性能の低下につながるため、2〜3ヶ月に1回を目安に清掃しましょう。
ポイント:
・表面のカバー:月に1回程度、乾拭きや軽く水拭き
・ファン・モーターまわり:2〜3ヶ月に1回、内部までしっかり清掃
・年に1度は専門業者に点検依頼もおすすめ
■ 入浴後の換気延長で湿気を残さない
湿気がこもるとカビの原因になります。入浴後は30分〜3時間程度、換気扇を回し続けるのが理想的です。24時間換気のある家なら、そのまま稼働させてOKです。
■ フィルターでホコリの侵入を防ぐ
換気扇のカバー外側に貼るタイプのフィルターを取り付けておけば、内部へのホコリ侵入を大幅に軽減できます。交換目安は1〜2ヶ月に1回、フィルターがくすんできたら交換サインです。
■ 潤滑スプレー(異音予防に)
金属軸の潤滑には、「KURE 5-56」などのスプレータイプが便利です。ファンの中心軸に少量だけ吹きかけて、スムーズな回転を保ちます。
注意点:
電気配線やモーター本体には絶対にかけないようにしてください。スプレー後は、手で回して動作確認し、しっかり乾かしてから通電しましょう。
■ 換気扇フィルター(貼るだけでOK)
100円ショップやホームセンターで買えるシートタイプのフィルターがおすすめ。磁石式や粘着式など、工具不要で取り付けられるものが多く、掃除の手間が減ります。
■ 小型ブラシ・掃除ノズル
羽根の裏や隙間には、すき間用の細いブラシや掃除機のノズルアタッチメントが便利です。静電モップでホコリを絡め取るのも有効です。
「いつもと音が違う」と感じたら、まずは以下をチェックしてみましょう。
いずれも、軽度であればご自身で対応できるケースが多いです。ただし、音が収まらなかったり、10年以上使っている場合は、無理せず業者に相談しましょう。
日々のケアを習慣にしておくことで、異音の予防はもちろん、換気扇も長持ちします。次のパートでは、もし修理や交換が必要になった場合の判断ポイントと費用相場について、詳しくご紹介します。
音の原因を取り除いても改善しない場合や使用年数が長い場合は、換気扇自体の修理または交換を検討する必要があります。ここでは、交換すべき目安や判断ポイント、費用相場について詳しく解説します。
一般的に、浴室の換気扇の寿命は約10年とされています。音が大きくなったり、回転が弱くなってきたと感じる場合は、経年劣化が進行している可能性があります。
判断ポイント:
注意点:
見た目がキレイでも内部のモーターや配線が劣化していることが多く、突然停止するリスクもあります。
異音の原因が軽度であれば修理で済みますが、モーターや軸の故障・本体の劣化が激しい場合は交換のほうが確実で経済的なこともあります。
判断ポイント:
注意点:
換気扇内部の部品の修理はメーカー対応となりますが、古い機種は部品在庫がなく、修理対応できないケースもあります。その場合、本体交換が唯一の選択肢となることも少なくありません。
換気扇の修理・交換にかかる費用は、種類や設置状況によって大きく異なります。
目安としては以下のとおりです。
※換気扇内部の部品交換や修理はメーカー対応になります
注意点:
これらの費用はあくまで目安であり、業者や地域、設置場所の状況によって変動します。また、マンションなどの集合住宅では管理規約がある場合があるため、交換工事前に管理会社へ確認しましょう。
もし換気扇の交換を検討しているなら、「浴室乾燥機能つき」の換気扇への切り替えも選択肢のひとつです。費用は上がりますが、浴室乾燥・衣類乾燥・暖房機能などが追加され、日常の利便性が大きく向上します。
検討ポイント:
・浴室乾燥機能つきにするか、シンプルな換気扇にするか比較検討
・既存のダクト・電源・壁の開口サイズに合うか業者と要確認
注意点:
設置スペースや配線の都合で設置できないこともあるため、事前の現地調査が必要です。
浴室の換気扇から聞こえる異音は、単なる「経年劣化の音」ではなく、内部で何かしらの不調が起きているサインです。ホコリ詰まりや潤滑不足といった軽度なものから、モーターの故障や本体の寿命といった深刻なケースまで、原因はさまざまです。
重要なのは、「なんとなくうるさいけど…」と放置せず、違和感に気づいた時点で早めに対応することです。
異音は「換気扇のSOS」
手入れ・交換で浴室をもっと快適に
浴室の空気環境は、カビや健康被害、さらには家族の快適さやリラックスタイムにまで影響を及ぼすため、家族全員の健康と快適さに直結しています。日常の小さな異音を「まあいっか」で済ませず、気づいたときに手を打つ習慣を、ぜひこの機会に取り入れてみてください。
少しのメンテナンスが、大きな安心と快適さを守ることにつながります。
もし、換気扇の交換、浴室乾燥機への切替えを検討した方が良いかなと思う場合は、お電話またはお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。当社はお客様と顔の見える関係で安心してご依頼いただけることを大切にしています。
※ご相談は無料です。