2026年4月27日 | リフォーム事例
横浜市港南区の三共住販株式会社です。
今回は、横浜市港北区の管理会社様よりご依頼いただいた、経年劣化したアパートのスレート屋根を重ね葺き(カバー工法)で改修した事例をご紹介します。
港北区の管理会社様から、「雨漏りが発生する前に屋根の状態を確認し、必要な工事を提案してほしい」とご連絡をいただきました。
現地調査を行ったところ、アパートの屋根にはカラーベストと呼ばれるスレート屋根材が使用されており、表面の劣化がかなり進んでいました。
調査結果を踏まえて屋根の改修方法とお見積りをご案内し、重ね葺き工事のご依頼をいただきました。
カラーベストは、セメントに繊維素材を混ぜて固めた屋根材です。瓦屋根に比べて軽量で施工しやすく、費用も抑えられるため、一般住宅などで広く使用されている屋根材の1つです。
一方で、屋根材の表面は紫外線や雨風にさらされ続け、セメントは水に強いとは言い切れないため、10年程度で塗装等でメンテナンスする必要があります。10年程度での塗装を怠ると、塗装ではメンテナンスができなくなり、「屋根の張り替え」または「重ね葺き(カバー工法)」の工事が必要になります。
なお、2004年(平成16年)より前に製造されたカラーベストには「アスベスト」が含まれている可能性があるため、解体費用が大幅に上がってしまいます。
今回の屋根は表面の劣化がかなり進んでおり、塗装によるメンテナンスではなく、屋根全体を改修する必要がある状態でした。
屋根全体の改修方法には、既存の屋根材を撤去して新しい屋根に交換する「張り替え」と、既存屋根の上から新しい屋根材を施工する「重ね葺き」があります。
重ね葺きは、既存屋根の撤去範囲や廃材の量を抑えられるため、費用を抑えやすい工法です。今回は、既存の屋根を残して施工できる状態であったことから、費用を抑えるために重ね葺き工事をご提案しました。
もし、雨漏りによって野地板などの下地まで腐食している場合は、重ね葺きでは対応できません。屋根の状態を調査したうえで、どの方法が適しているか判断することが大切です。
建物の周囲に仮設足場を設置し、工具や部材が落下しないよう安全対策を行って注意しながら作業を行います。
重ね葺きでは既存の屋根材を残しますが、新しい屋根材の施工に支障となる雪止め、棟板金、貫材などは撤去します。
棟板金や貫材は長さがあるため、2人以上で屋根から下ろし、建物の下で短く切断して処分しました。雪止めなどの細かな部材は、風で飛散しないよう撤去後すぐに袋へ入れて作業しました。
既存部材の撤去後、屋根の軒先部分に水切り金物を取り付けました。
軒先水切りは、屋根を流れてきた雨水を軒先へ排出し、屋根の内部や下地へ水が回り込むのを防ぐための部材です。屋根の周囲に隙間なく取り付けられるよう、金物の重なり部分を計算して施工しました。
軒先水切りの取付後、既存屋根の上に、暑さで屋根との吸着が上がる粘着系の防水シートを施工しました。
屋根材の下に施工する防水シートは、屋根材の隙間などから入り込んだ雨水を建物内部へ浸入させないための重要な防水層です。シートの浮きや剥がれが生じないよう、屋根面にしっかりと圧着しながら注意して施工しました。
防水シートの施工後、仕上げとなるアスファルトシングル材(屋根材)を施工しました。
雨水が屋根材の下地に流れ込まないよう、軒先側から棟側へ(下から上へ)向かって順番に重ねながら施工します。
なお、使用する屋根材には施工可能な屋根勾配が定められています。今回の工法は3寸5分未満の緩い勾配には適さないため、施工には不向きとなりますのでご注意ください。
アスファルトシングル材を葺き終えた後、屋根の頂部に樹脂製の貫材を固定しました。
少し前までは木製の貫材で施工されていましたが、木製の貫材は雨水が入り込むと腐食し、棟板金を固定している釘が効きにくくなることがあります。棟板金の浮きや強風による飛散を防ぐため、当社は水分の影響を受けにくい樹脂製の貫材をご提案しています。
貫材をしっかり固定したら、棟板金を取り付けます。釘部分には雨水の浸入を防ぐためコーキング処理を行いました。棟板金の重なり部分も、墨出しをして隙間が生じないよう位置を確認しながら加工・取り付けしました。
屋根全体の施工後、屋根材や棟板金の固定状態、コーキング処理、施工箇所の仕上がりを確認しました。
最後に仮設足場を解体し、施工完了です。




今回の屋根重ね葺き工事は、仮設足場の設置から解体まで約5日間で完了しました。
既存屋根の大部分を撤去しない重ね葺き工法は、解体や廃材処分にかかる作業を抑えられるため工期を短くできるのがメリットの1つです。
屋根の劣化は地上から確認しにくく、雨漏りが発生するまで不具合に気づかないこともあります。
雨漏りによって屋根の下地まで傷んでしまうと、重ね葺きでは対応できず、既存屋根の撤去や下地補修を伴う張り替えが必要になる可能性があるため注意が必要です。
屋根材の色あせや表面の剥がれ、コケ、ひび割れ、棟板金の浮きなどが見られる場合は、雨漏りが発生する前に屋根の状態を確認することが大切です。
当社では、屋根の重ね葺きや葺き替え、屋根・外壁塗装をはじめ、管理物件の室内リフォームや設備交換にも対応しています。
管理物件の屋根の状態や改修方法でお困りの場合は、現地の状態を確認したうえで工事方法をご提案します。
屋根の色あせや表面劣化が見られる場合は、雨漏りが発生する前に状態を確認し、塗装・重ね葺き・張り替えの中から適した方法を検討することが大切です。屋根や外壁などの外装リフォームについては、こちらのページでもご案内しています。
管理会社様からのご相談は、管理会社様向けページをご覧ください。