石垣島で驚きの連続!生前整理のための土地売却の調査

2025年10月6日 |  売買・仲介事例

横浜市港南区の三共住販株式会社です。

今回は、石垣島の土地売却のご依頼をいただき、売却に向けて現地で行った調査についてお伝えします。

初めての沖縄、しかも石垣島の土地売却

当社では、沖縄は初めての案件でした。

今まで一番遠くでの不動産売買の仕事は昨年行った鹿児島でした。そのときが初の本州以外での仕事だったのですが、今回はついに沖縄!

しかも沖縄本島ではなく、石垣島です。日本の最西端が与那国島ですから、もうほぼ日本の西端、台湾がすぐそこみたいな感じで、仕事とはいえすこし興奮気味に石垣島に向かいました。

横浜市の会社が石垣島の土地売却をするの?

ところで、横浜市の会社が石垣島の土地売却?と思った方が多いと思います。

おそらく、全国展開しているような大手不動産会社以外は、地域密着型で営業している地場の不動産屋さんがほとんどで、対応していても隣接する都道府県くらいまでじゃないのか、というのが一般的な感覚だと思います。

今回ご依頼をいただいた方は、横浜市内で当社が駐車場の管理をしているお客様です。そのお客様が石垣島に土地を所有しており、「石垣島で遠いけど、生前整理をしたいので売却をお願いできないか」とお声をかけていただきました。

当社としては、一度関わらせていただいたお客様とはご縁を大切に、末長くお付き合いさせていただきたいと考えているため、遠方ではありますが喜んでお引き受けさせていただきました。

私でも期待値MAX!お客様が土地を購入した決め手とは?

お客様が石垣島に所有している土地は、1972年に沖縄が返還される少し前に不動産業者に薦められて購入したものになります。そのときの話として、「近くに空港ができるので地価が上がる」というのが購入の決め手だったようです。

「近くに空港ができる」というのは、たしかに魅力的な話ですよね。

やはり交通インフラの新設が地価に与える影響は大きいですから。神奈川県内でいえば、たとえば、リニア中央新幹線の新駅が予定されている相模原市の橋本駅周辺は、発表があった2014年から地価が高騰しています。

時代が違うとはいえ、空港ともなればなおさら期待してしまうのは、想像に難くないです。

しかし現実は想定どおりには進まない・・・

非常に魅力的な話ではあったものの、残念ながら実際には空港はできませんでした。空港ができなければ、当然、当初想定したような地価の上昇もありません。

その結果、売却することなく、土地を所有し続けて今日に至ったということです。

生前整理で売却を考えることになったきっかけ

今回、この土地の売却を考えるきっかけになったのは、相続登記の義務化でした。

2024年4月1日から相続登記が義務化され、相続で不動産を取得した場合、3年以内に登記(名義変更)しなければいけなくなりました。義務化前は、名義変更をせず所有者を曖昧にしたまま放置しても、法的に罰則はありませんでした。しかし、義務化により罰則(10万円以下の過料)が科されることになったため、放置できなくなりました。

土地を購入してから50年以上、家を建てることなく経過していて、お子さんに相続しても家を建てて住む可能性はほぼありません。市街地のように高額な固定資産税がかかることはないにしても、毎年支払いは必要になります。

つまり、相続しても相続登記の手間と費用がかかる、毎年固定資産税の支払いが発生する、という負担だけが残る資産になりかねません。

お子さんに負担を残さないためにも生前整理としての売却を決断されたそうです。

不動産事情が分からない地域。まずは売却できるかの調査から

当社では石垣島の不動産事情は分かりません。そのため、まずは、この土地が売却できるかどうか調べるところから始めます。

今回の土地は周辺にほとんど家がなく、レインズのデータを見ても分かりません。やはり不動産事情は地元の不動産業者さんに聞くのが一番。お客様のためにも正確な情報を入手したいので、地元の不動産業者さんに石垣島の土地売買の状況や相場を聞きに行きました。

話を聞いてみると、今回の土地の近くには元有名ミュージシャンの家があって、最近人気のエリアとのことで、エリアとしては売却できる可能性があることが分かりました。

ちょっと信じられない・・・この土地が売却できるの?

不動産業者さんから話を伺った後、現地を確認しに行きました。

と、その前に。

実は、私は物件の近くに神社やお寺があれば必ずお参りするようにしています。今回も近くにあった神社にお参りしてから物件に向かいました。

現地に到着して、もう正直驚きでした。

当然、都市部の土地のように整然と区画されたものではないことは分かっていましたが、写真のようにまるでジャングルのような土地だったのです。沖縄では普通にあるかもしれませんが、普段このような土地を扱う機会がない私には、売却できる可能性があることがにわかには信じられませんでした。

地元の不動産業者さんの話では、石垣島では「海が見える」、「海から近い」のが大切とのことです。たしかに石垣島のような観光地・リゾート地の場合は、眺望やビーチへのアクセスであったり、非日常感を購入する人は求めている気がします。が、それにしても驚きました。

エリア的には売却できそう。でも家が建てられない?

今回の土地の前面道路は石垣市の所有ですが、建築基準法上の道路ではありませんでした。基本的に、建築基準法上の道路に2m以上接していなければ建物を建てられません。家を建てられない土地であれば購入してもらえません。

ただし、建築が可能になる例外や救済措置があり、どうすれば建築確認が取れるか、役所の建築指導課などに相談するとアドバイスはしてもらえます。とはいえ役所なので、こうすれば必ず建築確認が取れます、という断言まではしてくれません。

今回は幸いなことに、前面道路の反対側に家が建っていました。同じ条件の土地で家が建っているので、その家がどのようにして建築確認を取ったか分かれば、同じ対応をすれば良いことになります。

そこで八重山土木事務所に行って、建築確認概要書を取得しました。建築確認概要書には、どのようにして建築確認を取ったか理由が記載されています。

理由が確認できたので、家を建てるために必要な対応も分かり、無事問題解決です!

問題解決と思いきや売却に影響しそうな難題に直面

「エリア的には人気があるので売却できる可能性がある」、「建築確認を取る方法も分かり家は建てられる」ことで、あとは売り出して買い手を見つければ良いということですが、ここでまた1つ難題に直面しました。

それは、石垣島(沖縄)だからこその理由です。

実は、石垣島では戸建てもRC造(鉄筋コンクリート造)なのです。

沖縄に住んでいないと、マンションでもないのにRC造なの?と思うかもしれません。RC造なのは、主に台風対策です。木造だと屋根が飛んだり外壁が壊れたりするリスクがありますから。あと、シロアリ対策。高温多湿な地域ですのでシロアリ被害が全国でもトップクラスです。木造だと防蟻処理をしても長期的に被害を受けやすいリスクがあります。

RC造で問題になるのは、木造と比べて建築費が高いことです。

しかも建築資材の高騰による建築費アップと人件費アップの影響で、地元の不動産業者さんの話では、最近の建築単価は坪150万円~という話でした。

土地を購入して家を建てる費用を考えたときに、この建築単価だと土地購入の足かせになる可能性が捨てきれません。なかなかの難題ですが、こればかりはどうしようもなく、売り出す中で土地の魅力をしっかり伝えるしかありません。

お客様へのご報告

2日間の石垣島出張を終えて、お客様に状況をご報告しました。

現地の様子は写真だけでは伝わらないと思い、動画を撮影してきてご覧いただきました。

お客様からは、土地を大切に、家を建てて住んでくれるような人を探して売却して欲しいという想いを伺いました。

今後売り出し価格などの詳細条件をお客様と調整して、石垣島の不動産業者さんに買い手を探してもらうことになります。当社としては、お客様が大切に想っている土地を、お客様が望むような買主様にご購入いただけるように、引き続きお客様としっかりコミュニケーションを取りながら売却を進めてまいります。

横浜市内にお住まいで、「遠方に土地を持っているが生前整理で売却したい」、「遠方の実家を相続したけど、忙しくて放置状態になっていて早く売却したい」けど、現地に行って見知らぬ地域の不動産業者に売却依頼するのが不安、行く時間がないといった問題がある場合は、是非一度ご相談ください。ご相談は無料です。

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