2024年11月15日 | 水まわり工事事例
横浜市港南区の三共住販株式会社です。
今回は、横浜市港北区の管理会社様からご依頼いただいた、賃貸アパートのトイレタンクからの水漏れ解消の事例になります。
入居者様の話によると、トイレを使っていないのに、トイレタンクの水が便器にチョロチョロ流れつづけて止まらないので修理して欲しいとのことでした。
トイレに限らず水漏れが起きたら、まず、原因を特定します。
トイレで水を流していないときに、便器に水がチョロチョロ流れている場合は、大きく3つの原因が疑われます。
現地に伺ってトイレのタンクを開けて確認してみたところ、オーバーフロー管が折れていました。
フロート弁と一体型のオーバーフロー管で、オーバーフロー管とフロート弁の接続部分で折れていましたので、オーバーフロー管の破損がタンクから便器への水漏れの原因と考えられました。
オーバーフロー管は、トイレタンク内の内部に垂直に設置されている筒状の部品です。その役割は、トイレタンクから水が溢れないようにすることです。
トイレの水が流れる仕組みは次のとおりです。
水が流れる仕組みが正常に作動していれば、オーバーフロー管の出番はありません。何らかの理由で、タンク内の水量が過剰になった場合に、オーバーフロー管を通って便器に水が排出されることになります。
オーバーフロー管が今回のように折れたり、穴が開いたり、ひびが入った場合は、その部分からオーバーフロー管に水が入って便器に排出されることになります。そのため、タンク内の水が標準水位より低くなります。そうすると、標準水位になるようにボールタップの弁が開いて給水するので、止まることなく常にタンク内の水が便器にチョロチョロ流れることになります。
破損状況によっては、トイレタンクの水量が少なくて、レバーを回しても水がほとんど流れなくなる可能性があります。最悪の場合、便器内の水が溢れ出てトイレの床が水浸しになる可能性もあります。
でも、タンク内にある部品が折れることなんてあるの?と疑問に思う方もいるかもしれませんが、折れることはあります。原因はいくつかありますが、ほとんどのオーバーフロー管はプラスチックのため、タンク内でずっと水に浸かっていることで経年劣化しやすくなり、ひび割れてしまったり、折れてしまうことがよくあります。
原因はオーバーフロー管の折れと考えられるため、オーバーフロー管を交換することにしました。
オーバーフロー管を交換するためには、タンクを取り外して作業する必要があります。
タンクを取り外すために、止水栓を閉じて水を止め、タンク内の水を全部流します。タンクに繋がっている給水管を外し、タンクを固定しているボルトを外します。これでタンクを取り外す準備ができたので、落とさないように慎重にタンクを取り外し、養生シートの上に寝かせるように置きます。
タンクの底部にオーバーフロー管の根元が取り付けられているので、ウォーターポンプフライヤーという工具で回して取り外します。新しいオーバーフロー管をタンクの下から差し込み、ウォーターポンププライヤーで回して取り付けます。
タンクと給水管を元に戻します。この際、レバーとフロート弁を繋ぐチェーンを調整して、きちんとフロート弁で排水口が閉まるか確認します。
最後に動作確認を行います。止水栓を開けて、トイレのレバーを回してみます。問題がなければこれで交換工事は終了なのですが、ボールタップからの給水が止まりません。ボールタップも故障していて、浮き球の位置をきちんと検知できなくなっていると考えられます。
現場にボールタップも持ってきていたので、管理会社様に状況を説明して、ボールタップの交換を追加で実施することになりました。
ボールタップの交換はタンクの取り外しは不要ですが、タンク内部の部品の交換になるため、再度、止水栓を閉じて水を止め、タンク内の水を全部流します。タンクのフタを開けて、ボールタップと繋がっている給水管、手洗い管、補助水管を取り外します。
ボールタップを固定しているナットを緩めてボールタップを取り外します。新しいボールタップを取り付けてナットでしっかり固定し、給水管、手洗い管、補助水管と接続します。浮き球の高さを調整して水位が適切になるように設定します。
止水栓を開けて、トイレのレバーを回して動作確認をします。今度は、問題ありませんでしたので、フタを戻して終了です。
トイレの水漏れとひとことで言っても、いろんな箇所で水漏れが起きる可能性があります。今回は、トイレタンクから便器への水漏れでしたが、どのような水漏れであれトイレが故障して使用できないのはとても不便ですので、早急な対応を心がけています。
今回はトイレタンクの取り外しが必要な交換工事でしたが、トイレタンクが樹脂製でした。樹脂製は陶器製と比べて軽くて丈夫なのが特徴です。陶器製の方が多いのですが、陶器製の場合は重いのと万が一落としてしまうと割れてしまうので、より慎重な作業が必要になります。
また、今回はオーバーフロー管の交換に加えて、ボールタップの交換が必要になりました。当たり前のことではありますが、交換工事をしたら必ず動作確認をしっかりやることを大切にしています。1つ明確な原因が見つかるとそこに意識が集中してしまいがちですが、2つ3つ複合的な原因で水漏れを起こしていることもあります。
そういったものを見落とさないためにも、交換をしたらしっかり動作確認する。当たり前のことを徹底することで、入居者様にも管理会社様にも信頼していただけるように努めています。
水漏れなど水まわりでお困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください。
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